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4P分析とは?顧客視点から問題を解決するマーケティング理論を解説

2022.05.20

中村 和正

「4P分析」とは、どのような製品やサービスを提供するのか、いくらでどのように提供するのかなど、売り手側の視点でマーケティング施策を考えるフレームワークです。

他の手法とも組み合わせることによって、売り手寄りの視点を克服できるため、顧客ニーズにマッチした製品やサービスを提供する上で欠かせない分析になると注目されています。

ここでは4P分析がどのようなものなのか、その概要や進め方、効果的な活用方法ついて詳しくお伝えしていきます。

4P分析とは

4P分析とは、マーケティング学者のエドモンド・ジェローム・マッカーシーが提唱したマーケティング理論で、「Product(製品・サービス)」「Price(価格)」「Place(販売場所・提供方法)」「Promotion(販促活動)」の頭文字、4つの「P」を取ったフレームワークです。読み方は、そのまま「4ピー分析」と読みます。

Product(製品・サービス):どのような価値を提供するのか

Price(価格):いくらで提供するのか

Place(販売場所・提供方法):どのような場所・方法で提供するのか

Promotion(販促活動):どのように販促を行うのか

といった、売り手側の視点から分析する特徴を持っています。

つまり、自社の販売戦略を立案する際に、製品やサービスの価値を分析して、いかにして市場で販売に繋げていくのか、具体的な戦略を立案するためのマーケティング理論であると言えます。

4P分析の概要と進め方

上記でお伝えした通り、4P分析では自社で提供する製品やサービスを4つの要素から分析し、具体的な販売戦略に繋げることを目的としており、①Product(製品・サービス)、②Price(価格)、③Place(販売場所・提供方法)、④Promotion(販促活動)の順番で分析を進めていきます。下記、詳細を確認し、テンプレートとして現場でご活用ください。

Product(製品・サービス)

自社が提供する製品・サービスには、どのような強みがあるのか、どのような魅力があるのか分析するために、単に製品・サービスの価値に着目するだけではなく、デザインやパッケージ、カラー、アフターサービス、補償内容なども分析対象とします。

Price(価格)

自社の製品・サービスをいくらで提供するのか、価格設定は販売戦略においてとても重要であるため、市場での標準価格はどれくらいなのか、競合が提供している価格はいくらなのかなど、価格を検証することによって、ユーザーにとっての適正価格を掴みます。

Place(販売場所・提供方法)

自社の製品・サービスをどこで販売するのか、どのように提供するのか分析し、より消費者が接触する機会が多くなるように、また消費者にとってメリットが最大となるような流通経路や流通方法を考えることによって、より具体的な販売戦略に繋げます。

Promotion(販促活動)

自社の製品・サービスの認知を広げ、より販売を促進できるよう、情報を届けるためのメディアや広告などへのプロモーション活動を検討することや、営業などにより人的販売の戦術を具体化させるなど、販促活動を幅広い視点で分析していきます。

4P分析の活用方法

事業活動において4P分析を効果的に活かすためには、4P分析の特徴を捉えた上で、さまざまな視点から、また新たな視点も踏まえて活用すると良いでしょう。

4Pを統合して考える「マーケティングミックス」

4P分析では、4つの要素から分析して販売戦略を具体化させていきますが、これらの要素は独立しているのではなく、相互に影響を与え、連携した存在であることから、すべてを統合して捉えることが重要になります。この様子から、マーケティングミックスとも言われます。

分析に迷いが生じるような場合には、その都度立ち止まって見て、ほかの要素と統合されているか、整合性は取れているかなどに着目してみると良いでしょう。

7Pからの視点が用いられることも

4P分析では、4つの要素だけではなく、つぎの3つのPも加えて、より効果的に効果が発揮できるように分析されることが少なくありません。

  • People(人):従業員(スタッフ)、顧客、関係各社など
  • Process(サービスプロセス):販売や業務など、サービスを提供する過程
  • Physical Evidence(物的証拠):製品やサービスの特徴、顧客にとっての価値が目に見えてわかるもの

『People(人)』

製品やサービスの提供はスタッフによるものになり、また顧客との関係、関連企業とのやり取りなども踏まえて検討することが重要です。

『Process(サービスプロセス)』

どのようなプロセスを経て提供されているのか、特にサービスの場合には、プロセスそのものに価値があるというものも珍しいことではありません。

『Physical Evidence(物的証拠)』

サービスに対する口コミや評価、満足度調査の結果などは、目に見えないサービスの価値を図る指標にできますから、物的証拠として検証することが大切です。

顧客視点を補って検討する

売り手目線である4P分析を補うために、上記のように7Pから分析されることがありますが、顧客視点で分析する「4C分析」も併用して、分析されることも少なくありません。4C分析についてはこちらで詳しく解説しています。

「顧客価値(Customer Value)」「顧客のコスト(Cost)」「顧客利便性(Convenience)」「顧客とのコミュニケーション(Communication)」といった4つの「C」を分析し、4P分析も含めて、自社のマーケティング戦略の立案に繋げていくといいでしょう。

分析の流れとしては、PEST分析、3C分析にて大きな視点から戦略方針を立ていき、SWOT分析で絞り、4Pのマーケティングミックスでさらに絞る流れになります。4P分析単体で使用するのではなく、さまざまなフレームワークと組み合わせて使用するイメージとなります。

フレームワークに囚われすぎるのもよくありませんが、フレームワークに当てはめて考えてみることで、どこから着手したらいいか分からないというものも、分析ができるようになるものです。ぜひ実際に使用してみてくださいね。

本記事で出てきた別のフレームワークは、下記で様々確認ができますので、併せてご覧ください。

https://freenote.work/tag/%e3%83%95%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%83%a0%e3%83%af%e3%83%bc%e3%82%af/

まとめ

『4P分析』では、自社の製品やサービスを「Product(製品・サービス)」「Price(価格)」「Place(販売場所・提供方法)」「Promotion(販促活動)」といった4つの要素から分析して、具体的な販売戦略の立案に繋げていきます。

自社の製品やサービスをあらゆる視点で分析することは、販売戦略の立案にとても重要であり、また「People(人)」「Process(サービスプロセス)」「Physical Evidence(物的証拠)」といった3つのPを加えること、また、『4C分析』と併用して顧客の分析を行うことが大切です。

自社の製品やサービスが顧客にとってどのような価値があるのか、市場でのニーズを掴むためにも、ぜひ取り組んでおくことをおすすめします。

この記事を書いた人


WRITER

中村 和正

Kazumasa Nakamura

株式会社 gracenote CEO
WACAウェブ解析士マスター

Web業界17年目。Webマーケティングや経営領域のコンサルティングや運用支援を行うほか、プロジェクトマネージャーやインフォメーションアーキテクツとして数多くのプロジェクトにも参画している。 自身がWebフリーランスから法人成りした経験を活かし、フリーランスの独立・成功を支援しています。