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Webフリーランスが質の良い案件を獲得し続ける5つの方法

2023.01.06

中村 和正

Webフリーランスは、さまざまな案件を受注するわけですが、報酬や契約条件などは取引先によって千差万別です。そんな中で効率よく収益を上げ、自身も成長していくためには質の良い案件を獲得してくことが重要になります。

今回は、Webフリーランスが質の良い案件を獲得していくための5つの方法をご紹介します。

質の良い案件とは?

そもそも質の良い案件とはどんな案件でしょうか。単価が高いことはもちろんのこと、自分の成長やスキルアップにつながる案件も質の高い案件であるといえます。ここでは、そもそも質の高い案件とはどういったものなのかを解説していきましょう。

信頼できるクライアントの案件

まず、質の良い案件の前提として、コミュニケーションが取りやすく、納期や条件に関する合意が守られるクライアントの案件であるということが必須となります。

新規案件の場合はこの辺りが分かりづらいですが、業務開始にあたり、きちんと契約を交わす、そして契約を交わすにあたっての契約書作成がスムーズである、業務開始までのコミュニケーションがスムーズであるかなどを見てみましょう。また、案件の範囲や求められる業務内容がはっきりとしていることも判断基準になります。

単価が高い案件

1日24時間という上限を変えることはできませんので、フリーランスは時間を効率よく使うことが重要です。そして、より時間単価の高い案件を獲得することが収入増につながります。

ただ、単価の高い案件は、企業規模が大きかったり、プロジェクトへの期待値が高かったりする分、要求や難易度も高い傾向にありますので、それを請けられるだけのスキルや経験があることも必要になります。自分が請けられる範囲でなるべく単価の高い案件を選択して獲得できるようにしていきましょう。

また、要求や難易度が高いのに提示されている予算が少ないという場合もあります。このような案件を請けてしまうと、それにかかる時間や労力に対して報酬が割安ということになってしまいます。単純に予算の高い安いだけでなく、案件の実情をヒアリングして見極められるようになることもポイントになります。

自分がやりたいと思える案件

自分がやりたい案件というのは、興味のある分野や好きなジャンル、得意なこと、面白そうだと思える案件です。フリーランスは、会社員とは異なり自分で仕事を選べることもメリットのひとつです。

「好きこそものの上手なれ」ということわざにもあるように、自分がやりたいと思える案件は、一生懸命に取り組めるものです。また熱意を持って取り組みやすいので結果的にクライアントからも高い評価をもらうことにもつながるでしょう。逆にやりたくない仕事をやるのは、ストレスになりますし、成果物のクオリティにも影響するでしょう。

とはいえ売上もあげなくてはいけないので、時にはあまり気乗りのしない仕事を請けざるを得ない場合もありますが、自分が楽しいと思える案件を1つでも抱えていると仕事全体に対するモチベーション維持にもつながります。

自分が成長できる案件

フリーランスとして活躍していくなら、キャリアアップのためにもこれまで経験したことのない新しい分野や難しい案件にチャレンジすることも必要です。

また、自分がお手本にしたいような人と一緒に仕事ができる案件や、重要な役割を担わせてもらえる案件などもチャンスがあれば積極的に参画していきましょう。あと、仕事の進行中や終了後に、具体的で建設的なフィードバックが得られることも大切です。それを元に自身のスキルアップやサービス改善ができるため、成長に繋がります。

ただ、背伸びをし過ぎてしまうと、時間を取られ過ぎて他の案件に影響が出たり、スキル不足でクライアントに迷惑をかけてしまったりといったことにもなりかねませんので、慎重に選択することも大事です。

もし、自分にはまだ難しそうな案件であっても、アシスタントとして参加させてもらうという選択肢もあります。報酬的には少なくなりますが、長期的に見て価値のある経験や実績を得られるようであれば、提案してみてもよいでしょう。

フリーランスが質の良い案件を獲得する5つの方法

質の高い案件を獲得するためには、そういった案件に出会えるようにならなくてははじまりません。次に、フリーランスが質の良い案件を獲得するための考え方や具体的なアクションについて紹介していきましょう。

1.人脈の質を上げる

フリーランスが案件を獲得するためには、セミナーや勉強会、業界イベントに参加して、同業者や潜在的なクライアントとのネットワーキングを築くことが重要になります。ただ、闇雲に多くの人に会うだけではなく、その人脈の質を意識することも必要です。

もちろん、最初は人脈を広げることが必要ですが、つきあっていても時間を奪われたり、要求をされるばかりだったりで、プラスにならない相手というのも存在します。そんな中で付き合う相手を見定めていくことで人脈の質が上がっていきます。

ただしこの時に「仕事をくれそうだから」など打算で相手を探していると、相手側も打算で付き合ってくる人ばかりになり良い人脈形成にはならないので注意が必要です。ポイントとしては

  • お互いに敬意を持って接することができる相手
  • 最初は自分から相手に何か提供して、それに誠意を持って返してくれる相手
  • 一緒にいることで勉強になったり、共に成長できると思える相手

などを意識してみると良いでしょう。そして良い人脈ができると自然と広がっていきます。

2.ひとつのクライアントに依存し過ぎない

1つのクライアントに依存するのではなく、複数のクライアントの仕事を請けていくことでも、質の良い案件に出会える確率は高くなります。

もちろん1つのクライアントから継続して仕事を請けることはフリーランスとしては大事なことですが、それだけだと同じような作業が続き、スキルが伸び悩んでしまうなどして、その仕事が無くなった時のリスクも高くなるので、常に複数のクライアントの仕事を並行して請け負えるようにしましょう。

さまざまな案件を経験することによって自身の成長にも繋がり、さらに質の良い案件を依頼されるきっかけになるのです。

また代理店やWeb制作会社との取引であればそこを通して様々なクライアントの案件を請け負うこともできるなど、一緒に仕事することで勉強になるような人も多く在籍しているので、積極的につながりを持っておくと良いでしょう。

3.新規のクライアントを常に開拓する

現時点で十分な仕事が確保できていても、新規のクライアントを開拓し続けることが質の良い案件に出会うために必要です。

もちろん継続的にお仕事を依頼してくれる相手に不義理をすることは良くないですが相手側の都合で急に仕事が無くなる場合もあります。そうなってから慌てて新規のクライアントを開拓しようとしてもすぐに見つかるとは限りません。

なので、継続的に新しい案件へのアンテナを張って開拓をしておくようにし、時には新しい案件に乗り換えていくこともフリーランスの選択肢として持っておくようにしましょう。

4.スキルを磨く

スキルを磨いていくことで、より高単価の案件を獲得できるようになります。例えば、ある開発言語が必須となっている開発案件があった時に、その開発言語を習熟しているエンジニアであれば採用される可能性は高いですし、向こうから声がかかる場合もあります。

特定のスキルを磨いておくことで、競合フリーランスと差別化もできますし、そのスキルが必要とされる案件が継続的に舞い込むことでさらに成長するという好循環にも繋がるのです。

ただし、市場のニーズというのは日々変わっていきますので、どんなスキルが求められているのかということを常に意識して、ひとつのスキルに固執せずに新しいスキルを身につけていくことも大事になります。

そして、身につけたスキルは、きちんとポートフォリオにも反映させましょう。これまでの実績や成功事例、スキルをまとめたポートフォリオを作成し、クライアントが一目で自身の能力や経験を把握できるようにすることが大事です。またWebサイトやSNSなどでも露出し、クライアントの目につくようにしておきましょう。

5.受注した案件は一つひとつ丁寧に取り組む

現在、受注している案件に対して丁寧に取り組むことも、質の良い案件を獲得するためには大切です。特に、クラウドソーシングを利用したり、Webサイトに口コミを載せたりしている場合は、クライアントからの評価が見られます。良い評価であるほど良い案件の獲得に繋がりますので、コミュニケーションなども含め慎重に対応しましょう。

案件をひとつひとつ丁寧に取り組むことで、リピートで案件を依頼されるのはもちろんですが、リピートされなかったとしても実績が残り、新たな案件を獲得する際のポートフォリオとして評価されます。また、仕事ぶりが評価されて、新しいクライアントを紹介される場合もあります。

まとめ

ここまで、質の良い案件とはどういったものか、そしてそのような案件を獲得していくための方法を解説しました。

質の良い案件を獲得し続けるために、1番大切だと思うことは、相手に対して常にギブ(give)の姿勢でいることです。

もちろん自分の時間や利益を犠牲にして尽くすということではないですが、請け負った仕事では相手の期待以上の成果を提供すること、取引先や仕事仲間が困っていれば力になってあげることを続けていけば、中長期的に見たら必ず自分の利益になるものです。

ただし、相手を間違うと良いように利用されてしまうだけになってしまうので、そうならないように相手を見極めながら人脈を形成していくことも忘れてはいけません。 最初は失敗することもあると思いますが、試行錯誤しながら質の高い案件が循環するような環境を目指していきましょう。

この記事を書いた人


WRITER

中村 和正

Kazumasa Nakamura

株式会社 gracenote CEO
WACAウェブ解析士マスター

Web業界17年目。Webマーケティングや経営領域のコンサルティングや運用支援を行うほか、プロジェクトマネージャーやインフォメーションアーキテクツとして数多くのプロジェクトにも参画している。 自身がWebフリーランスから法人成りした経験を活かし、フリーランスの独立・成功を支援しています。