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Webディレクターとはどんな職業?どんな人に向いている?

2022.12.21

中村 和正

Webサイトを立ち上げるにあたり、欠かせない職業の一つがWebディレクターです。Webディレクターは、Webサイトに関わるプロジェクトを指揮・監督する重要な役割を担っています。

この記事では、Webディレクターの仕事内容や将来性、向いている人の特徴などについて解説していきましょう。

WebディレクターとはWeb制作の監督

Webディレクターとは、その名の通りWebサイト制作を監督する役割です。

具体的には、​​プロジェクトの方向性を示し、全体の指揮・管理をするといった業務を担います。Webディレクターは、クライアントの要望に応じて企画提案・スタッフのアサイン・予算管理・スケジュール調整などを行いながらプロジェクトがスムーズに進むように管理・監督を行います。

こういった役割はプロジェクトマネージャーと呼ばれることもありますが、Web業界ではWebディレクターと呼ばれる人たちがプロジェクトマネージメントを行っているケースが大半です。

またWebディレクションは、プロジェクトの規模が大きくなるほど関わるスタッフも多くなり、難易度も上がるため、幅広い知識や経験値が求められるようになります。

そのために最初はアシスタントディレクターから経験を積んだり、デザイナーやHTMLコーダーなどから転換するケースも多くあります。

Webディレクターの仕事内容

Webディレクターの仕事内容は、多岐に渡ります。ここでは、Webディレクターの主な仕事内容を紹介していきましょう。

企画・提案

Webディレクターは、クライアントからの要望を把握し、Webサイト制作の企画・提案書を作成します。提案書を作成するにあたっては、クライアントから目的や予算などをヒアリングし、それを前提としてどのようなWebサイトを作るのが良いかということを提案します。また、体制図やスケジュールなども提示して、どのように実現するかということも提案します。

また提案にあたってはデザイナーにデザインカンプを依頼したり、マーケターに市場調査を依頼したりなど、各専門家を取りまとめていくという役割もあります。

Webサイトの品質管理

品質管理とは、Webサイトが正常に稼働しているか、ユーザーが見やすく使いやすいかなど、クライアントの要求事項をきちんと満たしているかを確認する作業です。

具体的には「リンク先のURLは正しいか」「システムが正しく動いているか」「コンテンツ内容に誤った情報はないか」「目的に沿ったUXを実現できてるか」など様々な観点で品質を評価します。

品質の低いWebサイトを納品してしまうと、クライアントの信用を無くすだけではなく、実害がでれば賠償責任などにも発展しかねないので、Web制作のプロジェクトでは、こうした品質管理は欠かせません。

スケジュール管理

スケジュール管理とはWeb サイト制作に必要なタスクを整理して、デザイナーやエンジニア、ライターなどの各担当の作業スケジュールを作成し、Webサイトの完成に向けてスケジュール通りに進行する仕事です。

プロジェクトを進行するにあたっては予定通り進まないことやトラブルが発生することなどもありますので、そのような場合には、人員を追加したり、タスクを前倒しする、または納期を変更するなどの調整もWebディレクターの仕事です。

また、Web制作においてはクライアント側のタスクも多くありますので、制作スタッフだけではなく、クライアントなど社外の担当者の作業スケジュールの管理も必要になるため、コミュニケーション能力も必要になってきます。

予算や人員の管理

決められた予算の中でWebサイトの制作を進めていくこともWebディレクターの役割になります。プロジェクト開始時に要件や必要な人員を確定し、それに沿った見積もりを出しますが、プロジェクト進行中に依頼内容が変わったり、トラブルなどが起きたりすると想定していた予算を超過してしまう場合があります。

これを放っておくとプロジェクトの利益が出なくなってしまいますので、クライアントに追加予算の交渉をしたり、内容の取捨選択などを行いながらプロジェクトのコストを予算内に収められるようにします。

また、予算内でいかにクオリティの高いWebサイトを実現できるかもWebディレクターの腕の見せ所です。

Webディレクターの年収・将来性について 

Webディレクターの平均年収は、厚生労働省が運営するjob tag(職業情報提供サイト)によると584.4万円となっています。

同サイトでのWebデザイナーの平均年収は478.6万円、Webサイト開発のシステムエンジニアが523万円となっているので、Web業界の中では高水準となっています。

また、フリーランス案件を掲載しているFreelance hubでは、人月単価が100万円を超える案件も多くありますので、年商1000万を超えることも十分可能な職種だと言えます。

将来性に関してもデジタル化は一層進むと考えられ、Webディレクターは臨機応変な対応や複雑なコミュニケーションを求められる職種なので、機械やオフショア人材などに取って代わられる可能性も低いので、今後も提案力やマネジメント能力の高いWebディレクターは、Web制作現場では必要とされ続けるでしょう。

Webディレクターに向いている人の特徴

Webディレクターは、どのような人に適性があるのでしょうか。ここでは、Webディレクターに向いている人の4つの特徴をまとめてみました。

タスク管理能力の高い人

Webディレクターは、各タスクの進捗管理や品質管理、スタッフやクライアントとのやり取りやなどさまざまな業務を同時進行で遂行していきます。そのため、Webディレクターは複数の作業を混乱せずに、同時に進められるタスク管理能力が必要です。

コミュニケーション能力の高い人

Webサイト制作はチームで業務を進めていく仕事です。Webディレクターは、プロジェクトチームの責任者としてクライアントやスタッフなどと常にコミュニケーションを取ります。

業務に関しては正しくスムーズな情報伝達や認識共有が必要になりますし、時にはハードな交渉が必要な場合もありますので、あらゆる人とスムーズにコミュニケーションができる能力がWebディレクターには必要です。

論理的思考ができる人

Web制作を進めているとスケジュール遅延や仕様変更など、様々な課題が発生します。そんな時に慌てることなく、冷静に対処できることが求められます。そのためにも物事を俯瞰で見て、適切な対処を導き出せる論理的思考が必要になります。

様々な視点で考えられる人

Web制作には様々なステークホルダーがいます。クライアントからの要望や仕様変更が多くあった際に、制作視点だけだと面倒な仕事だと感じてしまう人もいます。しかし、クライアント視点ではビジネスの成功のために必要なことかもしれません。

また、それがユーザーにとってマイナスなことであれば、クライアントに意見することもプロジェクト成功のためには必要なことです。

このようにWebディレクターは様々な視点を持って物事を考え、最適な判断をしていくことが求めらます。

まとめ

今回は、Webディレクターの仕事内容や将来性、向いている人の特徴などを解説してきました。

Webディレクターは、Web制作プロジェクトの全体に関わる責任ある職種であり、必要なスキルや業務内容も多岐に渡り、1人前のWebディレクターになるには長い年月も必要になります。

責任あるポジションでプレッシャーは感じるものの、プロジェクトを成功に導いた際の達成感はとても大きなものになります。またフリーランスとして独立した場合も請けられる仕事の幅が広いので様々な選択肢を持つこともできます。

大変な分、やりがいや可能性のある職種であるとも言えるので、興味を持てた人はWebディレクターを目指してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人


WRITER

中村 和正

Kazumasa Nakamura

株式会社 gracenote CEO
WACAウェブ解析士マスター

Web業界17年目。Webマーケティングや経営領域のコンサルティングや運用支援を行うほか、プロジェクトマネージャーやインフォメーションアーキテクツとして数多くのプロジェクトにも参画している。 自身がWebフリーランスから法人成りした経験を活かし、フリーランスの独立・成功を支援しています。