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Webディレクターがやってはいけない7つの事。

2021.10.15

中村 和正

プロジェクトを進める中で問題の火種になってしまったり、スムーズな進行の妨げになってしまうポイントをまとめてみました。まずはこの7つを徹底するだけでもだいぶプロジェクトがスムーズに進むようになると思います。

スケジュールをアップデートしない。

明らかに遅れていると担当者レベルでは共有しているつもりでも、文書化されていないとプロジェクト開始時に作成したスケジュールをもとに「公開は予定通り〇月〇日ですよね」と認識されているケースがあります。

明らかに遅れているのだから納期も遅れるよね。と暗黙の合意にはせずに、常にスケジュールを更新して、進行が遅れているようであればその原因と影響をプロジェクトメンバーに共有しましょう。

作業範囲を明示しない。

プロジェクトの進行中に自分たちが想定している範囲外の作業を頼まれることがあると思います。クライアントは必ずしもWebのプロとは限らないのでそれは当然です。

例えば「Webサイトを作ってもらってるんだからサーバーやドメインも用意してもらえるんだよね。」といった認識をされてることもあります。

そうならないためにはきちんと作業範囲を明示することが大事です。もし本来はスコープ外だけどやった方がいいと判断した場合には「本来の作業範囲は超えていますが今回は対応します。」ということをきちんと伝えましょう。これをしないと作業が上手くいかなかったときに

発注側は「お金を払って頼んだのに納品物に満足いかない。」
受注側は「良かれと思ってやってあげたのに逆に怒られた。」

となり、どちらもネガティブな思いをすることになってしまいます。

みなさんもサービスでもらったものにケチをつけたりはしないと思いますので、サービスで対応したという事がちゃんと伝わっているかがポイントになります。

できない理由を先に言う。

例えば、ある居酒屋でメニューにないお気に入りの焼酎がないかと聞いたとしましょう。

A:「メニューにのってなければないです。」
B:「メニューにはないんですがちょっと確認してみます。」・・・「すみません、やはり置いてないみたいです。」

結果は同じでもどちらの対応の方が満足度が高いかは一目瞭然ですよね。

経験があるほど、お客さんの要求に対してできるできないの判断が素早くできると思いますが、明らかに対応できない場合でも即答でNOと言わずに解決策、代替案など何とかリクエストに答えられる方法を考えるようにしましょう。

できない理由ではなく、できる方法・代わりの方法を考えるようにすると自分の力もつきますし、クライアントの信頼も得ることができるでしょう。

クライアントと真正面から対峙する。

契約上は発注者と受注者の関係ではありますが、それと同時に同じゴールを目指すプロジェクトメンバーでもあります。向かい合って仕事するのではなく、一緒にユーザーの方を向いて仕事ができるような関係が構築できれば理想的です。

特にトラブルが起こった場合にお互いしか見ていないと責任の押し付け合いになるケースがほとんどです。一緒にユーザーの方を向いていれば自然と一緒にトラブルを解決しようという流れになりますね。

デザインをデータだけ送る。

ただ「確認してください。」と送られてきたデザインでは好き嫌いで判断されてしまう可能性が高く、プロジェクトの目的と合致しない修正指示などが来てしまう原因にもなります。

Webの専門家である自分たちがなぜそのようなレイアウト、色合いにしたのか等をきちんと伝えてあげましょう。きちんと意味を伝えてあげることで好き嫌いではなくゴールを見据えて要件を満たしているかというチェックをしてもらえるようになるでしょう。

修正などの指示の目的をきかない。

クライアント:「ここを赤にしてください。」
Webディレクター:「わかりました、赤ですね。」

これでは、どんどんデザインがまとまりのないものになっていってしまうかもしれません。修正の依頼があったらまずはなぜそのようにしたいかを聞きましょう。

例えば、ある要素を目立たせたいという目的で「赤にして」といっているのであれば、他にも目立たせる方法はありますし、デザイナーの方がその引出しは多く持っているでしょう。

なので「ここを赤くしてください」とデザイナーの選択肢を狭めるのではなく、「この要素を目立つようにしてください」と伝えた方がよりよい物ができる可能性は高くなりますよね。

対応する環境を決めない

表示が崩れると言われて調べてみたら旧バージョンのブラウザのみの事象だったなんて経験ありますよね。

一般的にはシェアの少ないブラウザでもそれが普及率90%の企業で使うイントラサイトならメインターゲットになりえます。自分の基準や一般的な数値にとらわれず、きちんとサイトのターゲットを見て対応環境を設計しましょう。

ちなみにこちらでで見ている人の環境を簡単に知ることのできるツールも紹介していますので、活用してみてください。
Webディレクターの為の便利ツール「Support Detail」

これらの点を意識するだけでもプロジェクトはきっとよりよい方向に進むのではないかと思います。また、発注側の方であれば担当ディレクタにこのような傾向があった場合は注意して進めた方がいいかもしれません。

現場にいるとたまに「発注者がWebのことを全然わかっていない。」なんて言葉を聞くことがあります。

私は料理のことはよくわかってませんが、おいしいものを食べにレストランに行ったりします。もちろんプロの料理人は料理のことを知らない私に最高の料理を提供しようとしてくれます。

インターネットがここまで生活や仕事に密着し、多くの人が関わるものとなってきていますのでWebのプロとしてクライアントと接する機会の多いWebディレクターとしてもかくありたいですね。

この記事を書いた人


WRITER

中村 和正

Kazumasa Nakamura

株式会社 gracenote CEO
WACAウェブ解析士マスター

Web業界17年目。Webマーケティングや経営領域のコンサルティングや運用支援を行うほか、プロジェクトマネージャーやインフォメーションアーキテクツとして数多くのプロジェクトにも参画している。 自身がWebフリーランスから法人成りした経験を活かし、フリーランスの独立・成功を支援しています。