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Web会議を極めよう〜①録画活用で最強議事録を作る。

2021.10.18

中村 和正

リモートワークへの移行により、プロジェクトの定例会議もWeb会議で行われることが多くなりました。対面での会議に比べて、参加者の表情などが見えず理解度が分かりづらい、活発な議論がしづらいなどの意見もよく聞きますが、Web会議ならではのメリットもありますので、ここではWeb会議のメリットを最大限活用してプロジェクトをスムーズに進める方法を紹介していきたいと思います。

まず大きなメリットのひとつが容易に録画ができること。以前もボイスレコーダーなどで録音することはありましたが、カメラを設置して録画までするケースはほとんどありませんでした。

私はzoomを利用することが多いのですが、クラウドに保存しておけば会議終了後に数分たつと閲覧用のURLが送られてきますし、その他ツールでもGoogle Meet、Microsoft Teams、Cisco Webexなど主要なWeb会議ツールにはすべて録画機能がついています。

とはいえ録画したデータをすべて見直して文字に起こしていくのでは効率的ではありませんので、録画活用のポイントをお伝えしていきます。

録画データの信頼度は100%

以前は会議しながらおおまかに議事録をまとめていく、議事録ドリブンの手法をよく使っていました。それでも良いのですが、自分がファシリテーションしない場合やアイデアを拡散させるような会議では少しやりづらさがありました。

Web会議の場合は録画さえしてしまえば、すべて記録されるので会議中はメモを取るということを一切考えずに会議進行に集中することができます。

会議が終わったら録画データを倍速で見直すのですが、会議直後であっても、「そんな話題あったな」「この宿題があったんだ」と思いだす点が必ずあります。ファシリテーションをしている自分でさえそうなのですから、あまり発言のなかった人やメモをとる様子のなかった人の理解度はさらに低いでしょう。

「会議なんだから集中してメモをとらないと駄目でしょう」と言う気持ちはありつつ、プロジェクトマネジメントの観点で言えば他人の意識といった不確定なものに依存するのではなく、人間の特徴や弱点を理解してそこはツールや仕組みで補完するようにしましょう。

ちなみに録画不可な機密データを扱う場合もありますので、会議を録画することは事前に関係者の合意を得るようにしましょう。

アジェンダシートに沿って進行する。

倍速で見るとはいえ会議が長ければその分の時間を要します。またあとで特定の話題を確認したいという際にどこで話したかを探すのは結構大変です。

なので私は以下のようなアジェンダシートを作成して画面共有しながら議論を進めています。

アジェンダの箇条書きだけではなく、各アジェンダごとにスライドを作成しておき、議題ごとのゴールを記載しておくことがポイントです。これがあることで早送りや巻き戻しをしても、それを目印に目当ての議題部分を探しやすくすることができます。

議事録をとりやすいファシリテーションをする。

いくら録画で残っているとはいえ、結局どうなったんだっけ?という話は繰り返しみても結論はでませんので、各議論に対してどのように決着したのかを発言として残すようにしましょう。

「その件については〜で決定でよいでしょうか。」
「このタスクは〇〇さんが担当で〇月〇日までに対応することでよいでしょうか。」
「この件は結論がでなかったので継続して検討になります。」

のような感じです。「そういえばさっきの件で〜」というように話題が行ったり来たりするのも、見返すのが大変なので、上記の様に各話題を締めて、区切りのポイントつけていくと議事録に起こす際に非常に楽になります。

議事録はプロジェクトマネージメントの大きな武器。

これはリモートワークに限った話ではありませんが、プロジェクトマネージメントにおいて会議の進行や品質は重要な要素です。

議論が拡散したり、脱線したりで肝心の決め事ができないとスケジュール通りにプロジェクトを進めることができなくなってしまいますし、きちんとファシリテーションできてないとプロジェクトマネージャーの資質を問われることにもなります。

まずは全体のスケジュールや現状から事前にアジェンダを定義して、会議で何を決定しないといけないかを事前にシミュレーションして会議に臨むようにしましょう。

また議事録は何かトラブルや認識齟齬などが起きた際のエビデンスにもなります。承認を得ていない議事録はその効力を発揮しませんので、提出後には必ずプロジェクトオーナーに承認をもらうようにしましょう。

私自身、進行中のプロジェクトに途中から入ったり、炎上したプロジェクトの救済で参加することがありますが、それまでの議事録を読むだけでプロジェクトの進行状態や課題点が分かるくらい議事録にはプロジェクトの様子が反映されるものです。(まぁ炎上しているプロジェクトは議事録がありませんというケースが多いのですが。。)

Web会議もPMの必須スキルになっていく。

コロナ禍で半ば強制的に実施することとなったWeb会議ですが、移動時間が削減できたり、比較的日程の調整もしやすいといったメリットも多いですし、今後も会議の形のひとつとして定着するでしょう。

今だけの応急処置、またいずれオフライン中心に会議に戻ると考えずにこれからの必須スキルの1つとして身につけ、磨いておくことで大きな武器を手に入れておきましょう。

この記事を書いた人


WRITER

中村 和正

Kazumasa Nakamura

株式会社 gracenote CEO
WACAウェブ解析士マスター

Web業界17年目。Webマーケティングや経営領域のコンサルティングや運用支援を行うほか、プロジェクトマネージャーやインフォメーションアーキテクツとして数多くのプロジェクトにも参画している。 自身がWebフリーランスから法人成りした経験を活かし、フリーランスの独立・成功を支援しています。