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フリーランスとして活動していく中で、友達から「フリーランスになってこういうことやってるって言ってたよね?こういう仕事ってできる?」と声が掛かることがあります。
この話自体、とても喜ばしいことなのですが・・・
いざ価格の話になると、「友達なんだから安くして!」「友達からお金とるの?」「友達価格でやってよ!」などと言われることがよくあります。
特に、デザイナーやイラストレーター・ライター・カメラマンなどクリエイティブに関する職種に多く見られる問題点です。しかし、実際に仕事を請け負うとなると、作業者の時間や労力など、様々なコストが掛かっています。そのため、いわゆる「お友達価格」を安易にOKしまうと、今後のフリーランス活動に響いてくるリスクも高いので、うまく対処できるようにしておといいでしょう。
そこで今回は、「お友達価格」で頼まれた時に、どのように立ち回ればいいのかをお伝えしていきます。
この記事では、フリーランスとして活動している方、また、これからフリーランスとして活動していこうとする方が、
- お友達価格の上手い断り方
- ビジネスにおける自己価値の理解
- 持続可能なビジネスに必要な要素
といったことが把握できる内容になっています。
お友達価格とは
お友達価格とは「お友達割引をした価格」のことです。
例えば、通常1万円で提供しているサービスなのに、「5,000円くらいで」と大幅値引きを期待する人もいます。確かに友達としては少しでも安く頼めたほうが嬉しいと思いますが、請け負っている側からするとかなりモヤモヤしてしまいますよね。
Twitterでもフリーランスのお友達価格についてよく話題にのぼり、同じような思いを抱えている人が多いことが分かります。
当然ながら、仕事の対価はそれぞれのスキルや努力、そしてそれに対する市場価格を反映しています。しかし、友人や知人から依頼される場合、この基準が曖昧になりやすいです。その結果、適切な価格設定が難しくなり、自己価値が低く評価されることがあるのです。
自分で作業にかかる経費や時間のことを十分に理解していて、それでも友達のためになんとか安くしてあげたい、というもあるでしょう。そういう時は、可能な範囲で対応してあげるのもいいと思います。
お友達価格で依頼してくる理由
フリーランスは自分自身が商品であり、仕事に誇りを持っているため、極端に安い仕事は受けたくないもの。一方クライアントの立場に立つと、少しでも安く依頼したい気持ちも分かります…。ただ、「友達である上に、具体的な業務内容を知らない」ために、「仕事」というより「友達としての頼み事」に近い感覚で依頼してしまいがちなのです。
具体的な理由としては、以下の3つになると考えます。
原材料がかからないと思っている
「デザインやライティングはPCさえあればできる」と考えている人も一定数います。確かにクリエイティブは設備や人件費・原材料があまりかからず、安く提供するフリーランスもいます。
しかし、実際には提供するスキルや知識を身につけるために、書籍やセミナー・スクールなどの勉強代は発生していますし、ツールやフォント・画像の利用料なども必要ですよね。これは側から見ると目に見えないため、コストとして認識しづらいのです。そのため、このあたりを理解していない依頼者には、コスト構造を一度説明してあげるといいでしょう。
簡単にできると思っている
依頼する側に悪気はないとは思いますが、クリエイティブを「簡単にできる」「誰でもできる」と考えている節もあります。例えば3日で仕上げたバナー画像に対して「短時間で作れるんだ、じゃあ安いよね」と思う人もいます。
しかし画像が完成するまでにはいくつもの手順を踏みますよね。
- ヒアリングをする
- 要素を決める
- キャッチコピーを決める
- レイアウトを考える
- フォントや字間を調整する
- 色を調整する
そしてクライアントの修正希望に対応し、納品になります。依頼から3日で納品というところだけ見ると、簡単にできるように見えてしまいますが、実際にはクライアントが納得できるクオリティの納品ができるように、長年の修練を積んでいるからこそできることです。
友達だから安くして当然と思っている
大抵の場合は、友達も悪気があって言っているわけではありません。前述したように知らないから友達の頼み事として軽い気持ちで言ってしまっているだけなのです。
そのため、きちんと説明してあげることが大事です。この説明を省略してお友達価格をOKしてしまうと、「次もお願い!」「〇〇さんにも紹介しておいたよ!(お友達価格で)」と、どんどん安い仕事を依頼されるループにハマってしまいかねません。
そうなれば収入をキープするために仕事量や労働時間を増やすことになり、精神的にも肉体的にも疲れてしまいますので、十分に気をつけましょう。
「お友達価格」を上手に断る方法
お友達価格での受注は、健全なフリーランスの活動を妨げることになるため、基本的には断るのがいいと思います。それが、持続可能なビジネスに繋がります。
ここでは人間関係を維持したまま、お友達価格を上手に断る方法を紹介します。
料金相場を伝える
お友達価格を依頼してくる人の中には、業務の料金相場を知らず、明らかに格安価格を提示してくるケースも存在します。「頼むなら、このくらいかな…?」という感覚です。
そのため、このケースでは、料金相場を正しく伝えてあげましょう。例えばフリーカメラマンに丸1日の撮影を依頼する場合、報酬は5万円前後が相場です。3万円以下の報酬を希望するなら明らかに相場に釣り合っていません。
要望に沿えないことと合わせて、料金相場をしっかり伝えましょう。
例えば「その案件は通常◯◯円で対応していて、料金相場としても△△円程度なんだよね。だから、報酬面で条件が合わなくて、引き受けるのが難しそう。せっかく声を掛けてもらったのに本当に残念なんだけど、また機会があったら声を掛けてね。」という感じです。
これなら相手は相場を知らなかったことに気づけますし、友情関係を壊すようなことにはならないはずです。また、予算があれば、提示した金額で依頼してくれることも十分あると思います。
作業時間や手間を伝える
クリエイターはクライアントに作業自体は見られずに納品するため、かかった時間や手間が伝わらず、だからこそ安く見積もられてしまうことがあります。そこで、時間や手間がどれだけかかっているのか相手に仕事内容を分かってもらうため、時給換算するのもひとつの手です。(時間はかからないけど、スキルや知識、資格などが必要なものはこれらを提示しない方がいいです。)
例えばライターが1記事3,000文字を執筆する場合は以下のように考えます。
- ターゲット・キーワードの調査:30分
- 必要な情報を集める(リサーチ):30分
- 構成を決める:30分
- 執筆:3時間
- 推敲:30分
これなら「合計約5時間かかるので、報酬1,000円ではちょっと…」と言えますし、相手も納得しやすいでしょう。
自己価値の証明
あなたの仕事に対する価値は、自身がスキルや知識をつけるのにかけた時間や労力、費用の部分もありますが、これまでこなしてきた案件や、実際に携わった案件でクライアントにもたらしたメリット、クライアントからの感謝の声などもそうです。
そのため、それらをポートフォリオとしてまとめたものを提示してあげると、価格に根拠が生まれ、お友達価格で依頼されづらくなります。
また自分の価値をきちんと語ることは、不当な評価をしない、させないためのビジネスエチケットでもあります。
割引ではなく付加価値をつける
お友達価格での受注はやめた方がいい。でも少しでもサービスしてあげたい。という場合は、金銭的な割引ではなく、付加価値(おまけ)をつけてあげるといいでしょう。例えば以下のような形です。
- ライターでSNSをやっていれば、そちらで拡散してあげる
- カメラマンなら写真撮影1枚分をサービス
- イラストレーターならイラストの別パターンをおまけしてあげる
もし、ここまでしてあげたにも関わらず、「価格据え置きならいいや」と言われたら、深追いはせず「また機会があったらよろしく」とだけ伝えておきましょう
まとめ
今回はフリーランスを悩ます、お友達価格について解説しました。
デザイナーやイラストレーター・ライター・カメラマンなどクリエイティブな仕事は明確な単価がありません。そのため「友達なんだから安くしてくれるよね」と声を掛けてくる人もいます。
「原材料がかからなそう」「簡単にできそう」といったイメージを持っている友人には、料金相場や作業時間を伝えて報酬を見直してもらいましょう。 慣れないうちはうまく交渉できずに失敗することもあるかと思いますが、自分の価値は自分で決めるものです。お友達価格を安易に受け入れず、正当な対価を支払ってくれるクライアントを探しにいきましょう。