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集中できる状態をつくるには
まずタスク整理をする前段階として効率よく集中できる環境で仕事できてますでしょうか?
ネット環境やツールの進化で便利になる一方で仕事のスピード感は増し、迅速な対応や判断を求められるケースも増え、そのスピードに飲まれてしまっている人も少なくないようです。
脳はPCのメモリのようなもので、気になることや外部からの刺激(入力)などがあるとそちらにリソースをもっていかれ、目の前のタスクに100%のメモリを使うことができません。まずは脳のメモリを最大限発揮できる環境を整えましょう。
集中できる環境づくりのポイント
人間は視界の中で動くものや音などに反応する習性がありますので、それらを遮断することが重要になります。
①デスクトップや作業デスクを片付ける。
視界に余計なものを置かないことで必要以上に情報が入らないようにします。またファイルの間違いなどといった無駄なミスも減らせます。
②メールやチャットの通知は切る。
今の作業から気を散らされてしまい、さらに気になる件名だったりするとメールを開いてしまったり。メールやチャットの確認はタイミングを決めて行いましょう。
③音楽を聴きながら作業しない。
特に歌詞のある曲や好きな音楽はNG。BGMのつもりでも一定の意識を持っていかれます。無音が気になるようであれば自然音や環境音楽をかけましょう。
④スマートホンは通知を切って見えないところに置く。
音を切るのはもちろんですが、通知バナーなどにも気を取られないよう画面も見えないところにおきましょう。
頭の中の整理
環境を整えたら次は頭の中の整理です。
- そろそろA社にデザインを送らなければいけなかったな
- もうすぐコンペの提案があるな。間に合うかな。
- トイレットペーパーが切れてたから仕事帰りに買わないと。お店何時までかな
…等々、目の前の仕事をしながらも頭をよぎることはないでしょうか?
実はタスク管理する大きな目的はタスクの抜け漏れを防ぐことはもちろんですが、これらを信頼のおけるタスクリストに一任して、頭の中から追い出すことにあります。そして信頼できるタスクリストとはすべてのタスクが1箇所に集約しされ、適切に整理とスケジューリングがされているものを言います。
GTD(Getting Things Done)について
GTDとは『Getting Things Done』の略で、アメリカの生産性向上コンサルタントのデビッド・アレン氏が2001年に著書『Getting Things Done: The Art of Stress-Free Productivity』で提唱したタスク管理のためのフレームワークです。
こちらは翻訳された書籍もあるので興味のある方は読んでみてください。
全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
この本では気になることを頭の外に出し目の前の『やること』に集中することに重きをおいています。そしてただ通常業務をこなすためだけのものではなく、自身の成長のための学習や経験、人生における目標達成や充実した人生を送ることにも活用できると述べられています。
タスクの整理方法
実践方法ですがGTDでは以下の5つのステップでタスクを整理していきます。
①把握 → ②見極め → ③整理 → ④更新 → ⑤実行
まず[①把握]〜[③整理]までは以下のフローに沿って行います。こちらにそってタスク(気になること)を適切なリストに整理し、リストにそって[⑤実行]していくという流れになります。
次に[④更新]です。タスク管理において重要なことはリストの鮮度です。更新をしないと当てにならないリストとなって使われなくなってしまいます。
この更新を行えるかがGTDを実践し習慣化できるかのポイントになってきます。具体的には以下を定期的に実施してリストの更新をしていきます。
- 予定通り終わらなかったタスクのリスケジュール。
- そのタスクは本当に自分がやるべきことなのか。
- 連絡待ちリストに入っているタスクの状況確認。
- いつかやるリストに入っている項目を見直し
[①把握]〜[③整理]は毎日。[④更新]は週次や月次など一定のタイミングで行います。
これを実践することで、頭の中に気になることを置かずに目の前のタスクに100%集中できるようになります。
GTDに適したWebツール
多くのタスク管理ツールがこのGTDに沿って利用できるようになっています。私は「Todoist」を利用していますが、どのツールも遜色ないのでツールは好みのもので構わないと思います。
GTDを実践してみて
私がこのGTDに出会ったのは約10年前です。当時いろいろなタスク管理の方法を試行錯誤し、このGTDの手法に落ち着きました。ツールは何度か乗り換えながら現在は「Todoist」に落ち着いています。
タスク管理だけでなく人生を豊かにすると書かれているのを読み、「そんな大げさな。」と思いましたが、タスクリストに依存したことでプライベートな時間にふと仕事のことを思い出して不安になったり、焦ったりということが無くなりました。
また取りたい資格や読みたい本などをいつかやるリストに入れておくことで、タイミングを見てそれらを実行することができました。まだまだ手を付けれずにリストアップされているものもありますが、このリストがなければ流れていってしまっていたでしょうから、人生を豊かにするというのも今では納得しています。
タスク管理の手法は他にもありますので、自分にあったものを選ぶのがよいと思いますが、模索中や上手くいっていない方がいればぜひ試してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
WRITER
中村 和正
Kazumasa Nakamura
株式会社 gracenote CEO
WACAウェブ解析士マスター
Web業界17年目。Webマーケティングや経営領域のコンサルティングや運用支援を行うほか、プロジェクトマネージャーやインフォメーションアーキテクツとして数多くのプロジェクトにも参画している。 自身がWebフリーランスから法人成りした経験を活かし、フリーランスの独立・成功を支援しています。