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ロジックツリーとは?事業の問題を分解して解決法を発見するフレームワーク

2022.05.11

中村 和正

事業活動で現れるさまざまな問題を分解して、原因や解決法を発見するには『ロジックツリー』がおすすめです。

問題になっているポイントを明らかにすることができ、さらに原因の特定や解決法を見出し、行動のための優先順位をつけやすくなるために、問題解決だけではなく事業拡大においても役立てることができます。

ここではロジックツリーとはどのようなものなのか、活用するメリットややり方のポイントについても詳しくお伝えしていきましょう。

ロジックツリーとは?

ロジックツリーはロジカルシンキング(論理的思考力)を鍛えるための方法として必ずと言っていいほど紹介されるフレームワークで、物事を枝葉のように分岐させて、その分岐ごとの意味によって問題を解決したり、事業を拡大するために用いる手法です。

樹木は1つの幹からいくつかの枝葉にわかれて成長していきますが、事業活動に生じる問題点も、さまざまな小さな課題から成り立っていると言えるでしょう。

そのため、ある大きな問題に対して、ロジックツリーを用いて分析することによって、枝葉である原因を特定することや、事業活動にどのような問題点があるのか分析したい場合にも、問題点を明らかにして解決法をみつけることができるようになるのです。

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ロジックツリーを活用するメリット

ロジックツリーを活用するメリットとして、5つのポイントにまとめてみましたのでご紹介いたしましょう。

問題が簡単に発見できる

ロジックツリーを活用することによって、全体的な問題からそのポイントとなる部分を可視化することができます。

例えば、個人事業で業務の効率化が問題点である場合、1人でさまざまな業務を複雑に取り組んでいることが珍しくなく、全体を見渡すだけでは有効な解決策を見出すことが難しいですが、ロジックツリーに落とし込んでいくことによって問題点をピンポイントに発見できるのです。そしてその問題点を段階的に追っていくことができ、解決に導くことができます。

問題の原因を特定できる

ロジックツリーでは、問題点を要素分解や因数分解など、さまざまな要素を重ねて分析することによって、問題点を明確にするだけではなく、その原因まで特定することが可能になります。

問題の解決策が導きやすい

問題点を明らかにし、その原因まで特定できると、問題をどのように解決していくべきなのか、より具体性のある方法を導きやすくなり、今なにをすべきなのか新たな事業活動に繋げていくことができるようになります。

チーム内でズレのない認識共有ができる

ロジックツリーは、チームメンバー全員が同じ認識を持つのに役立ちます。一つの大きな問題を小さな部分に分割して考えることで、課題に対する共通の理解を促進し、チーム全体で統一された方向性を持って問題に取り組むことができます。

アクションへの優先順位をつけやすい

各問題点に対して具体的なアクションプランを立てる際、ロジックツリーはそれぞれの枝の重要度を視覚的に示すため、優先順位付けが容易になります。経営戦略や意思決定プロセスにおいて、どの問題に最初に取り組むべきかを明確にできます。

ロジックツリーの種類とやり方のポイント

ロジックツリーには「Whatツリー」「Whyツリー」「Howツリー」「KPIツリー」と呼ばれる4種類のロジックツリーが存在し、目的に応じてロジックツリーを使い分けることによって、適切な行動に繋げるように取り組んでいきます。

問題の発生箇所を特定する「Whatツリー」

大きな問題が発生したならば、その問題の発生箇所を特定する目的のために、「要素分解ツリー」とも呼ばれる「Whatツリー」を活用します。

例えば、作業効率が問題であるならば、そこから効率や規模などの観点から分析していき、その根本原因がどの部分にあるのか特定し、根本原因に生じている問題がどのくらいの大きさなのか明らかにしていくことによって、ひとつひとつの原因の特定に繋げていきます。

「Whatツリー」を活用する際にはMECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive:重複せず、漏れがない)であることがとても重要であり、重複を排除することによって無駄なコストや手間を避け、漏れをなくすことによって適切な戦略に取り組んでいけるようになります。

問題の原因を特定する「Whyツリー」

問題の発生箇所が明らかになれば、なぜ(Why)その問題が発生したのか原因を掴むために、「原因追求ツリー」とも呼ばれる「Whyツリー」を活用します。

例えば、売上に対する問題が発生しているのであれば、その問題箇所から、「客数」「客単価」「新規顧客数」「既存顧客数」「受注率」など、さまざまな要素を加え、また「規模」「効率」を掛け合わせるなどして分解していきます。

要素を加える、あるいは掛け合わせることによって、より問題に対する因果関係を具体的に導き出せるようになります。

問題を解決させる「Howツリー」

「Whyツリー」によって問題点が明らかになったのであれば、次に問題解決策を立案し、その解決策の優先順位を決定するために「イシューツリー」とも呼ばれる「Howツリー」を活用します。

例えば、作業効率が問題であったならば、「どうすれば質を落とさず作業効率を高めるのか」といった点をより具体化することによって、解決策の実行に取り掛かることができるようになります。

問題点の原因から導かれる、さまざまな問題解決策を立案し、さらにその解決策を分析しながら、優先順位をつけていきます。

数値目標を決定する「KPIツリー」

問題解決策に取り組む優先順位が決定すれば、どうすればより高い目標を達成することができるのか、次の目標に向けた活動を明確にするために、因果関係を表す「KPIツリー」を活用します。

「Howツリー」によって導きだされた解決策は、KPI(目標を達成するためのプロセスを評価する指標)が明確になることによって、それが問題解決策の方向性を示すものとなり、具体的な指標となります。

KPIを明確にするには、数値目標をはじめ、具体的な問題解決アクションに結び付いていくまで、分析し続けていきます。

ロジックツリーを活用する際のヒントとコツ

MECE原則を理解し活用する

MECE原則は、Mutually/相互に、Exclusive/重複せず、Collectively/全体として、Exhaustive/漏れがないの頭文字を取ったもので、「漏れなくダブりなく」ということで、マッキンゼー&カンパニーで使われていました。

ロジックツリーを作成する際に、この原則を念頭に置くことで、問題を明瞭に分解し、漏れや重複を防ぐことができます。

ロジックツリーの改良と調整

一度作成したロジックツリーは、新しい情報や洞察が得られた時に見直し、改良する必要があります。

定期的にロジックツリーを見直し、必要に応じて枝を追加したり削除したりすることで、常に最適な問題解決フレームワークを維持することができます。

効果的なロジックツリーの活用法

ロジックツリーを効果的に活用するには、チーム内での共有とフィードバックが不可欠です。チームメンバーやステークホルダーとロジックツリーを共有し、アイデアを交換することで、より多様な視点から問題を考察することができます。

また、明確なコミュニケーションを行い、チーム全員がロジックツリーの構造と目的を理解していることが重要です。

ロジックツリーは、明瞭で論理的な問題解決プロセスを提供し、効率的な意思決定をサポートします。MECE原則を適用し、ロジックツリーを定期的に見直し、チームで共有することで、その効果を最大限に引き出すことができます。

まとめ

ロジックツリーは、論理的に問題解決法を見出し、具体的な問題解決アクションを導くためのフレームワークで、「Whatツリー」「Whyツリー」「Howツリー」「KPIツリー」と呼ばれる4種類のロジックツリーを分析することによって、今後の方向性を見出すことができます。

ロジックツリーの右端が行動に結び付くまで分析することによって、今後の指標となる具体的な行動にまで落とし込むことができるため、事業活動を推進する上においても大いに有効な手法だと言えるでしょう。

この記事を書いた人


WRITER

中村 和正

Kazumasa Nakamura

株式会社 gracenote CEO
WACAウェブ解析士マスター

Web業界17年目。Webマーケティングや経営領域のコンサルティングや運用支援を行うほか、プロジェクトマネージャーやインフォメーションアーキテクツとして数多くのプロジェクトにも参画している。 自身がWebフリーランスから法人成りした経験を活かし、フリーランスの独立・成功を支援しています。