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SMARTの法則とは?目標設定の方法や目標達成するための活用方法

2022.05.25

中村 和正

目標設定は、フリーランスとしての方向性を明確にするための重要なプロセスです。しかし、抽象的かつ漠然とした目標は、具体的な行動に結びつきにくく、達成が困難になることがあります。ここで「SMARTの法則」の出番です。

「SMARTの法則」とは、どのように効果的な目標を設定すれば良いのか、事業活動の将来のために重要な目標の設定や管理のために大切な考え方になります。5つの要素から適切な目標設定が立てられ、明確なゴール地点が設定されるために、常にモチベーションを維持しながら事業活動に取り組むことができるようになります。

SMARTの法則を使用することで、目標の進捗を定期的に評価し、必要に応じて調整することも容易になります。

ここではSMARTの法則がどのようなものなのか、目標設定の方法や目標を達成するための活用方法について詳しくお伝えしていきます。

この記事を読むと、

  • 目標設定の明確化ができる
  • モチベーションの維持ができる
  • 成果の可視化ができる
  • 成果を実感しやすくなる

というメリットがあり、以下の方におすすめです。

  • 起業家やフリーランスの方
  • キャリアアップを目指すビジネスパーソン
  • 学生や新社会人
  • プロジェクトマネージャーやリーダー
  • 自己啓発やスキルアップを目指す方

それではいってみましょう!

『SMARTの法則』とは

『SMARTの法則』とは、「Specific:具体的」「Measurable:計量性」「Achievable:達成可能性」「Relevant:関連性」「Time-bound:期限」の5つの頭文字を取ったもので、1980年代にジョージ・T・ドラン博士が提唱した目標設定方法になります。

上記、5つの要因から目標を考えることによって、事業活動の業績アップに繋がる適切な目標が設定できるようになり、また設定した目標は可視化できるため、行動指針としてモチベーションを維持することや、事業拡大に取り組むことが可能になります。

SMARTの法則による目標設定の方法

SMARTの法則の目標設定方法は、5つの要因から立案することになり、適切な目標なのかどうか、達成できる水準にある目標なのか、より事業活動にあった目標をさまざまな視点から設定できるようになります。テンプレート化されていますので、順に見ていきましょう。

Specific:具体性

目標が抽象的であれば行動も抽象的なものになりかねないことから、目標達成するためにはより具体的な目標である必要があります。例えば「もっと読書をしたい」というのは抽象的な目標ですが、「1ヶ月に5冊のビジネス書を読む」といった具合に具体化してあげてください。

立案した目標が具体的な行動をイメージできるものになっているか、明確に定義づけできているのか、抽象的な表現はないかなど、チェックしながら進めていくことが大切です。

Measurable:計量性

「計量性」とは、計測が可能な目標となっているかという意味があるもので、売上額やリピート率、販売数など、数値によって測定が可能な目標を立てることによって、あとどれくらいで達成できるのか明確に判断できるようになります。先ほどの例で、「1ヶ月に5冊本を読む」という計測が可能な目標を立てたならば、途中経過として「1週間で2.5冊読む」といった部分目標も設定できます。

数値が明確にできれば、それがそのまま行動計画に繋げることが可能で、PDCAサイクルもうまく回せるようになります。

Achievable:達成可能性

目標が高すぎてしまうと非現実で達成不可能な目標になってしまい、まったく意味を持たないものになることから現実的な目標を掲げることが大切です。自分の能力や時間を考慮しつつ設定しましょう。努力すれば実現可能な目標であればモチベーションアップにも繋がります。

Relevant:関連性

目標を達成するためにはモチベーションを保ち続けるのがとても重要です。目標がそのまま自分や事業の利益に繋がるような方向性のものを設定しておくことによって、利益を見出すことができ、いつまでも力を入れて取り組めるようになります。目標は自分の価値観や長期的なビジョン、キャリアプランと関連していることが理想的です。その関連性を確認し、目標が自分にとって本当に重要なものであるかを検討します。

Time-bound:期限

「期限」とは目標を達成するまでの期限が定められていることであり、期限が1年や半期、月間などと明確になることによって目標達成までの道のりを逆算でき、行動計画をより明確に立案できるようになります。

SMARTの法則を活用して目標を達成するには

事業活動においてSMARTの法則を活用する意義として、目標とすべき成果だけではなく、行動も明らかになり、また自身に対してだけではなく、クラインアントワークに対しても案件のゴールが明確になります。

やるべき課題を明確にする

目標に対して漠然と取り組むのではなく、SMARTの法則を活用して目標設定することによって、事業活動における課題を見出せ、より具体的な行動計画を立てることができ、目標により近づけるようになります。

行動の成果を検証する

事業活動の目標は、売上や販売数など成果目標ばかりに目を奪われがちですが、SMARTの法則を活用すれば数値目標だけではなく、目標を達成するための行動についても設定できるようになります。

そのため、数値目標だけではなく、行動目標についても着目し、どれくらいの行動ができたのかチェックすることによって、より成果に対する目標達成も実現に近づきます。

市場や競合の状況に柔軟に対応する

市場や競合の状況は常に変化しているために、明確な目標を設定したとしてもそれが現時点において必ずしも正解ではないと考えることが重要であり、SMARTの法則を活用して柔軟に変化させる必要があります。

また、自身の事業の目標設定のためだけではなく、明確なプロジェクトゴールのないようなプロジェクト(クライアントワーク)に対しても、SMARTの法則でゴールを設定し、目標のもとに案件に取り組むことが大切でしょう。

実例: SMARTの法則を活用した成功事例

あるフリーランスのデザイナーTさんの話を紹介します。Tさんは以前から「もっと高収入を得たい」と考えていましたが、どのように取り組むべきか悩んでいました。そこで彼は、SMARTの法則を取り入れて自らのビジネスの目標を見直すことにしました。

Specific:具体性

Tさんは、具体的な目標として「毎月の売上を20%増やす」と定めました。ただの「高収入を得る」というあいまいな目標より、具体的な数値目標が行動の指針としました。

Measurable:計量性

売上の数字をもとに、毎月の達成状況をモニタリング。その結果、成果を可視化することで、モチベーションが上がりました。

Achievable:達成可能性

市場のニーズや競合の動向、自身のスキルを考慮し、「20%の増収」がリアルな目標として設定されました。また、過去のデータやフリーランスの市場動向を考慮して目標を定めました。

Relevant:関連性

この目標は、彼の長期的なキャリアビジョンや独立当初の想いと一致していました。そのため、Tさんはこの目標に深いコミットメントを持ち続けました。

Time-bound:期限

「1年後には売上を20%増やす」という期間を設けました。この期限を持つことで、Tさんは行動計画を組み、効率的に目標に取り組むことができました。

結果として、Tさんは半年後には目標を達成。クライアントとの継続的な関係構築や、新たなスキル習得を通じて、ビジネスは次のステージへと進んでいきました。

まとめ

『SMARTの法則』では、目標設定を「Specific:具体的」「Measurable:計量性」「Achievable:達成可能性」「Relevant:関連性」「Time-bound:期限」といった5つの要素から見出すことができ、具体的な成果目標や行動目標に繋げられます。

フリーランスの活動では、適切な目標を設定することはとても重要であり、明確な目標によって事業に対するモチベーションを高められ、また目標が適正なのかどうか、常に市場や顧客の動向から掴むことも可能になります。

より適切な目標を掲げ、将来的な事業活動に繋げていくためにも、ぜひ取り組んでおくことをおすすめします。

また、事業単位での目標達成において、知っておいていただきたい「事業の目標を達成するための重要指標」について、下記にまとめていますので合わせてご覧ください。

この記事を書いた人


WRITER

中村 和正

Kazumasa Nakamura

株式会社 gracenote CEO
WACAウェブ解析士マスター

Web業界17年目。Webマーケティングや経営領域のコンサルティングや運用支援を行うほか、プロジェクトマネージャーやインフォメーションアーキテクツとして数多くのプロジェクトにも参画している。 自身がWebフリーランスから法人成りした経験を活かし、フリーランスの独立・成功を支援しています。