freenote.work Webフリーランスのためのお役立ちメディア

SHARE

webmarketing


事業の目標を達成するための重要指標KPIとは?KGIとKSFの違いも解説

2022.05.23

中村 和正

「KGI」「KPI」「KSF」とは、事業を目標達成に導いていくための指標です。目標を達成するための必要な要素を明確化し、目標達成できる要因を絞り込んだうえでプロセスを明らかにし、数値化した目標を設定することよって事業の最終目標を目指します。

ここではKGI・KPI・KSFがどのようなものなのか、それぞれの概要や必要性、設定や流れについて詳しくお伝えしていきましょう。

KGI・KPI・KSFとは?それぞれの概要と必要性

それぞれ「KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)」「KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)」「KSF(Key Success Factor:重要成功要因)」という3つの指標を指しています。

それぞれの指標を設定し、相互に関連付けて検討していくことによって、事業の最終目標を達成するための戦略や戦術を見出していきます。

KGIの概要と必要性

「KGI(Key Goal Indicator)」とは、重要目標達成指標と呼ばれるもので、事業活動の最終的なゴール地点を定量目標として明確にすることによって、より具体的な事業計画の立案に繋げることが可能となります。

KPIの概要と必要性

「KPI(Key Performance Indicator)」とは、重要業績評価指標と呼ばれるものであり、事業活動の最終目標を達成するためのプロセスを明確にするために、目標を数値化して道筋を示していきます。また、こちらを設定することで、パフォーマンス測定も可能になります。

KSFの概要と必要性

「KSF(Key Success Factor)」とは、重要成功要因と呼ばれるもので、事業を成功させるために、市場の動向や競合の状況、自社の強みや弱みなどを踏まえたうえで、状況に応じた事業活動の戦略や戦術を導いていきます。

KGI・KPI・KSFの設定と流れ

KGI・KPI・KSFは、それぞれの指標を関連付けながら設定していくことが特徴で、導き出した指標を踏まえながら次の指標を設定していくことによって、事業活動での最終目標であるKGIを頂点として問題解決の手段を明確にしていきます。

ここでは、WebマーケティングのPDCAで活用するにはどのようにすれば良いのか、事例も踏まえながらご紹介していきましょう。

1)KGI(達成可能な重要目標)を設定する

まず、四半期や年次、中長期などのスパンで達成可能な営業利益や利益率などといった数値的な重要目標を「KGI」として設定します。

例えば、Webマーケティングで活用するならば、数値目標などといった視点によって、事業に関わるすべてのスタッフが認識できるように示していることが大切で、「どのくらいの期間で」「事業がどのように成長するのか」といったものを明らかにして、計画を立案する必要があります。

通常、この数値はSMART(具体的・測定可能・達成可能・関連性・時間的制約)の原則に基づいて設定するもので、ビジネスの成果と直結します。目標管理や経営戦略に欠かせないKGIは、達成を目指すべき具体的な成果を明確にし、全体のモチベーションを高める効果もあります。戦略的目標設定のプロセスにおいてKGIの明確化は、成功への道を切り開くカギとなるのです。

SMARTの法則についてはこちらの記事をご覧ください。

2)目標達成のプロセスを整理する

最終目標であるKGIが設定されることによって現状の課題が明らかになり、目標を達成するためにどのくらいの乖離が生じているのか、また決められた期間にどのようなプロセスが必要になるのか、現場での視点なども踏まえながら多角的に整理していきます。

例えば、Webマーケティングの事業活動において利益目標を達成したいのであれば、売上アップのために顧客単価を見直すような視点が必要になりますし、無駄な経費を削減させて利益率を高めるような努力も大切な視点になるでしょう。

3)KSF(目標達成の要因)を絞り込んで設定する

プロセスを整理することができたら、最終目標であるKGIを達成するために最も重要な要因と考えられるものは何か、プロセスを絞り込んだうえで目標達成のための道筋を立てていく「KSF」、最も重要な活動や条件を探り、成功する可能性を高めていきます。

例えば、Webマーケティング事業の場合のKSFは、「企画力」「市場分析力」「スピード」「コネクション」などが挙げられます。これらは業界や市場、それぞれの企業が持つリソースによっても異なる要素ですので、独自の分析結果を導き出すことが大切です。

より明確にKSFを分析するために、市場・顧客、競合、自社の視点による「3C分析」、強み、弱み、機会、脅威の視点による「SWOT分析」などのフレームワークを用いることで、Webマーケティングを個人事業で取り組む場合において具体的な分析に役立ちます。

3C、SWOT分析については、こちらの記事をご覧ください。

4)KPI(数値化された目標)を設定する

最終目標を達成するためのプロセスとして重要な、数値化された目標をさらに細分化し、どのような目標数値を達成しなければならないのか明らかにすることによって、具体的な道筋を立てることができるようになります。

Webマーケティングでの活用例

例えば、ECサイトの年間売上で、3000万円を達成するという最終目標(KGI)を掲げたとします。そこから、数値を分解し3000万円を年間でどのように達成していくのか紐解いていきます。

例えば

1月100万円

2月150万円

3月200万円

12月○○万円

合計:3000万円

という具合です。さらに、1月であれば100万円を売り上げるため、どれだけの「Webサイトへのアクセス数」「成約率」「客単価」「リピート率」が必要なのか分解して、具体的な数値目標(KPI)に落とし込んでいきます。

日々のマーケティング活動では、このKPIを達成するために、どのような広告を打ち、どれだけの予算を費やすのか、またキャンペーンは何を行うのか?などを考え、実行していくことでKGIの達成を目指します。

KSFは、これらの活動の成功のキーとなる指標となります。例えば上記の例であれば、上位顧客のリピート率かもしれませんし、インフルエンサーに取り扱ってもらえる回数などかもしれません。

ただし、設定したKSFが間違っている可能性もあるので、こちらの検証も同時に行なっていく必要もあります。

まとめ

目標達成のためには、「KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)」「KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)」「KSF(Key Success Factor:重要成功要因)」といった3つの指標を設定し、最終目標を達成するためのプロセスを明らかにしていきます。

事業活動においては最終的なゴール地点を設けることはとても重要ですが、さらにそのゴール地点にたどり着くための道筋を明らかにして、常に意識しながら事業に取り組むことが大切なのです。

この記事を書いた人


WRITER

中村 和正

Kazumasa Nakamura

株式会社 gracenote CEO
WACAウェブ解析士マスター

Web業界17年目。Webマーケティングや経営領域のコンサルティングや運用支援を行うほか、プロジェクトマネージャーやインフォメーションアーキテクツとして数多くのプロジェクトにも参画している。 自身がWebフリーランスから法人成りした経験を活かし、フリーランスの独立・成功を支援しています。