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コロナ禍ではリモートワークが主流になったことや、世間的に自由な働き方が認められるようになったことなどからフリーランスが増えていますが、「フリーランスとして働く人が増えすぎてる?」のかや、フリーランスに興味はあるんだけど、「フリーランスになって後悔しない?」といった疑問をお持ちの方も多いと思います。 今回は、このような疑問や悩みを解決するために、フリーランス人口の実情やフリーランスになって後悔しないためのポイントを解説していきましょう。
フリーランスが過去最大の1,670万人を推移
まず、フリーランスが増えているといっても、どの程度増えているのか見ていきましょう。クラウドソーシングサービス大手の「ランサーズ」が実施した「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」によると、2021年のフリーランス人口は過去最大の1,670万人を推移しました。この数字は、2018年の調査1,151万人と比較すると57%も増加しています。
つまり、日本のフリーランス人口は、ここ3年の間に急激に増えているのです。ただ、ランサーズの調査では「過去12か月のうち、本業によらない収入(副業収入)が1円でもあった人」もフリーランスに含まれています。
2020年度総務省統計局の総務省統計局の労働力調査によると、自営業だけで生計を立てている人の割合は労働人口の約10%です。この数字は、1985年から年々緩やかな減少傾向にあります。
つまり、副業を含む広い意味でのフリーランス自体は増加傾向にありますが、本業としてのフリーランス人口はそこまで増加していないといえるでしょう。
フリーランスが増え続けている5つの理由とは?
副業としてのフリーランスが増えている背景には、どのような理由があるのでしょうか?ここでは、フリーランスが増え続けている5つの理由について解説しています。
働き方の満足度が高い
内閣官房日本経済再生総合事務局により公表されている「フリーランス実態調査」によると、7割以上のフリーランスが以下の項目で働き方の満足度を実感しています。
- 仕事上の人間関係
- 就業環境(働く場所や時間など)
- プライベートとの両立
- 達成感や充実感
このように、働き方の満足度が高いのがフリーランスのメリットです。しかし、一方で収入の安定や社会的地位に関しての満足度は4割と低く、フリーランスのデメリットも伺えます。
2018年「働き方改革関連法」の制定
働き方改革とは、政府が「労働者が個別の事情に合わせた働き方を自由に選択できる社会」を目指して実施している改革です。
働き方改革により、残業の上限時間や5日の年次有給休暇など、労働者の権利が守られる関連法案が制定されました。これにより、本業の労働環境が改善され副業としてフリーランスを目指す人が増えているのです。
副業を認めている大手企業の増加
経団連が2020年に実施した「2020年労働時間等実態調査」の結果によると、副業を認めている企業の割合は22%でした。
副業を認めている企業割合としては、高くはありませんがサッポロビール・ANA・日産など近年では、さまざまな大手企業が副業を許可しています。
企業が副業を認める理由としては、本業以外の働き方を通してスキルや人材としての価値を高めて欲しいという狙いがあります。
また、数年前に老後2000万円問題で騒がれていたように、老後の資金を国に頼らず作る必要性に気付かされたため、本業の収入だけでなく、副業が必要であるという認識から、副業人口が増えた、また企業としても認めるようになったことも背景にあります。
クラウドソーシングサービスの充実
クラウドソーシングサービスとは「ネット上で仕事を探している人と仕事を依頼したい人を繋ぐ場所」です。クラウドソーシングサービスでは、さまざまな案件があり個人でも企業からの仕事を請けることができます。最近では大手企業や上場している企業もこのようなサービスを利用する機会もあり、ますますサービスとして充実してきています。こうしたことも、フリーランスが増加している理由の一つとなります。
DX推進施策の発動
経済産業省が推進するDX推進施策も、フリーランス増加の要因です。これはコロナ禍で急激に進みました。DX(デジタルトランスインフォメーション)とは、「デジタル技術によって人々の生活やビジネスがより豊かに変化していく」を目標に改革を推進しています。
近年では、デジタル技術によってさまざまな仕事や作業が生産性を向上させました。DX推進施策により、労働者の働き方に関する意識が変化し、リモートワークやインターネット上で行える仕事が注目されています。
フリーランスになった人が後悔すること
上記でフリーランスの人口が増えていることはお分かりいただけたかと思います。副業であっても、本業であっても、フリーランスとして働くことは、決して楽ではありません。フリーランスになった人が後悔するケースを見ていきましょう。
収入が安定しない
会社員の場合は決められた仕事をこなしていれば、毎月一定の収入を確保することができます。しかし、業務委託で働くフリーランスは、抱えている案件の数が毎月変動するため、収入が不安定になりやすいです。順調に仕事が獲得できれば月に100万を越える収入を得られる可能性もありますし、逆に仕事がないと月の収入が0円ということも起こり得ます。フリーランスは、賃金の保証がない働き方だといえるでしょう。
フリーランスが報酬を安定させるには、収入源を一箇所に絞らず、複数持つのが効果的です。
1社から月30万円の報酬をもらっている場合は、その契約が切れてしまうと、収入はゼロになります。しかし、5社からそれぞれ月6万円、合計で30万円の報酬をもらっていれば、1社に切られてもまだ24万円は確保できます。 収入源の分散は、日頃から意識して取り組みましょう。
社会的信用が薄い
フリーランスは、会社員よりも社会的信用が低い傾向にあります。開業から日が浅かったり、十分な収入の証明などができなかったりすると、ローンやクレジットカードなどの審査が通らなかったり、不動産の賃貸契約に手こずったりという事もよくあります。
賃貸やクレジットカードの審査において、対象者の支払い能力は非常に大事ですが、
フリーランスは収入が不安定であるため、支払い能力を懐疑的にみられてしまいがちです。
フリーランスになることを検討している人は、独立前に賃貸やクレジットカードの契約を済ませておくのがおすすめです。
フリーランスになって後悔しないための3つのポイント
では、フリーランスになって後悔しないためには、どうすればいいのでしょうか?フリーランスで、後悔しないための3つのポイントを解説していきましょう。
スキル磨きを怠らない
フリーランスは、自分のスキルを提供して収入を得る働き方です。フリーランスになるには、仕事として通用するスキルを持っていなければなりません。
そのためには、日頃からスキルレベルを上げるように勉強したり、市場のニーズを捉えて新たなスキルを身につけたりしていきましょう。人より高いスキルを身につけていけば、よりレベルの高い仕事、単価の高い仕事ができるようになります。
収入がなくても半年〜1年は暮らしていける資金を準備する
フリーランスになる前には、十分な資金の用意が必要です。フリーランスになりたての頃は、思うように仕事がとれない、収入が安定しないといったケースも少なくありません。仕事が上手くいかない上に貯金も心もとないとなれば精神衛生的にもよくありません。
また、病気や怪我で仕事ができなくなり、収入が途絶えてしまうリスクもあります。フリーランスとして独立する際には、生活が行き詰まらないように半年〜1年は暮らせる貯金を用意しておくべきです。また融資や助成金などを活用して運転資金を確保するといったことも考えておきましょう。
相談できる仲間を見つけておく
フリーランスは、孤独を感じやすい職種です。理由としては、作業は基本的に一人で行うことや会社員の友人と仕事の話が合わないなどが挙げられます。
フリーランス特有の孤独を解消するには、相談できる仲間を見つけることが大切です。オンラインサロンやコワーキングスペースで、同じフリーランスの仲間を見つけて相談できる環境を作りましょう。
まとめ
今回は、日本でフリーランスが増えている理由や後悔しないためのポイントをお伝えしました。フリーランスはこれからの新しい働き方として定着してくとは思いますが、準備不足で独立、開業してしまうと失敗して後悔することになります。
しかし、リスクやデメリットだけではなく、働く時間や場所に囚われない自由な働き方ができるなどフリーランスのメリットも多くあります。どうせなら独立して後悔するフリーランスではなく、独立して良かったと思えるフリーランスになるために、実情をよく把握して十分な準備をしていくとよいでしょう。
他にも、フリーランスになる前に押さえておきたいポイントなどを解説していますので、合わせてご確認ください。
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freenote編集部
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