freenote.work Webフリーランスのためのお役立ちメディア

SHARE

business


SWOT分析は時代遅れ?4つの要素と分析のやり方を例を交えてご紹介

2022.04.01

中村 和正

『SWOT(読み方:スウォット)分析』は、取り組んでいる事業に対するさまざまな要因を明確化させることができ、強みや弱みを抽出することによって今後の成長戦略を見出せるフレームワークです。

特にフリーランスおいては、自身の取り組んでいる事業の強み・弱みを棚卸しして分析でき、成長させるポイント、克服すべきポイントが明らかになりますので、取り組んでおくべきフレームワークであると言えるでしょう。

SWOT分析とはどのようなフレームワークなのか、また分析によってどのように戦略に導いていくのかご紹介していきます。

SWOT分析の目的

SWOT分析では、「S・W・O・T」の4つの要素から事業活動を捉えていき、それをさらに「内部環境・外部環境」「プラス要素・マイナス要素」といった、いくつかの要因で整理することによって、事業の課題、競合他社による影響、事業拡大のための戦略などが見えてきます。どのようなマトリックスによって整理することになるのか、順番にご説明していきましょう。

SWOT分析の4つの要素について

 プラス要素マイナス要素
内部環境強み(Strength)弱み(Weakness)
外部環境機会(Opportunity)脅威(Threat)

『SWOT分析』とは、「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の頭文字SWOTから命名された、事業分析のためのフレームワークです。

  • 強み(Strength):技術力の高さ、長年の経験など、自分自身が持っている強み
  • 弱み(Weakness):事業の性質、コストなど、企業内部にある弱み
  • 機会(Opportunity):市場拡大の可能性、ビジネスチャンスとなる要因
  • 脅威(Threat):市場縮小、競争激化の動きなど

自社が取り組む事業の状況を、内部環境と外部環境に分け、さらにそれぞれの中でプラス要素、マイナス要素で整理していくことによって、さまざまな課題を発見することができます。

SWOT分析の横軸「内部環境」「外部環境」

SWOT分析では、事業活動の中でコントロール可能なものを「内部環境」として、コントロールできないものを「外部環境」と区別していきます。

「内部環境」の分析は「強み」「弱み」について考えていきますが、自社が行う事業の中でコントロールができる品質や価格、人材などで捉え、競合他社との比較や具体的なデータを交えて考えていくことによって、より強み・弱みを明確化させることが可能です。

「外部環境」の分析は「機会」「脅威」について考えますが、社会や政治、法律、文化、経済などといったマクロな環境要因に加え、競合他社や顧客、関連業者などといったミクロな視点でも環境要因として捉えていきます。

SWOT分析の縦軸「プラス要因」「マイナス要因」

ただし、ここで重要になるのが捉え方であって、事業活動の中で生じる課題はプラス要因・マイナス要因のどちらでも捉えることができますので、プラス要因の中にもマイナス要因を、マイナス要因の中にもプラス要因を捉えるような大局的視野が必要です。

SWOT分析から戦略を導き出すポイント

SWOT分析は上記でもご説明した通り、縦軸・横軸で捉えることによって、事業活動の課題を抽出することができますが、それだけでは情報収集終わってしまいます。

そのため、アイデアを引き出して事業戦略を導き出すために『クロス分析』と呼ばれる4つの要素の組み合わせの中から、戦略を具体化させていくのです。

クロス分析

強み(Strength)
×
機会(Opportunity)
強みをどのように活かして、機会を勝ち取るのか。
弱み(Weakness)
×
機会(Opportunity)
弱みを知って補強することによって、機会をどのようにして最大化させるのか。
強み(Strength)
×
脅威(Threat)
強みをどのように活かして、脅威を切り抜けていくのか。
弱み(Weakness)
×
脅威(Threat)
弱みを踏まえて、脅威となる影響にどう対抗するのか。

SWOT分析では、「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」を縦軸、横軸で掛け合わせるだけではなく、それぞれをクロスさせて分析する『クロス分析』が特徴的であると言えるでしょう。

上記4つに整理することができますが、特に個人事業の場合において言えば、『強み(Strength)×機会(Opportunity)』の分析がもっとも優位に立てる部分になりますから、事業活動における基本姿勢になります。

『弱み(Weakness)×機会(Opportunity)』とは、市場が好調で機会が得られるチャンスであるにも関わらず、競合に遅れを取っているような弱みが自身にあるような状態であり、その弱みをどう克服するかがポイントとなります。

『強み(Strength)×脅威(Threat)』とは、外部要因に脅威となるものがあるものの、自身が持っている強みを活かすことによって乗り越えていけるような状態であり、競合他社と差別化することによって強みに特化した戦略を導き出すことができます。

『弱み(Weakness)×脅威(Threat)』は、自分自身の弱みに外部要因として脅威が迫っている状況にあるため、守りに入るのか、縮小や撤退するのか、あるいは克服したうえで反転攻勢を進めるのか、新たな戦略が求められます。 これらはテンプレートに当てはめることから始めますが、それだけでまんぞくするのではなく、しっかりそれぞれの要素を組み合わせて考える必要があります。

まとめ

SWOT分析とは、自社の事業活動や経営資源を「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」として整理し、戦略を導き出す方法となります。

また『クロス分析』によって、より具体的な要因を掴むことができ、今後どのような戦略を持って事業に取り組むべきなのか明確になることから、競合他社から影響の受けやすい個人事業においても、使い勝手のよいフレームワークだと言えるのではないでしょうか。 今後取るべき戦略を具体的な計画に落とし込んでいくためにも、ぜひ取り組んでみることをおすすめします。

この記事を書いた人


WRITER

中村 和正

Kazumasa Nakamura

株式会社 gracenote CEO
WACAウェブ解析士マスター

Web業界17年目。Webマーケティングや経営領域のコンサルティングや運用支援を行うほか、プロジェクトマネージャーやインフォメーションアーキテクツとして数多くのプロジェクトにも参画している。 自身がWebフリーランスから法人成りした経験を活かし、フリーランスの独立・成功を支援しています。